アーユルヴェーダ薬膳ライフ49/ 眠れる国の木

ニームという木をご存じでしょうか? 催眠作用があると言われる常緑樹で南インドやスリランカなど暑い国で育ち、10m以上の大木になります。ニームの実から抽出したニームオイルはインドのアーユルヴェーダサロンでよく使われます。緑葉が生い茂る木陰で、ジャスミンに似た香りがふんわりと漂って来る。そんな心地よい眠りに誘われます。

ニームの木は『村の薬局』『薬木』『神話の木』などと言われています。茹でて傷口に塗れば怪我が治り、食べれば内臓系の病気に効果あり、解熱はもちろんストレスにも効く、万病薬となれば一樹で『薬局』と別名がついても納得。

また『神様の食べ物が天界からこぼれ落ちて生まれた木』という神話もあり、アーユルヴェーダでは太古の昔から神聖な薬葉として用いられてきました。こんな有り難い木なら庭に一本あればとても重宝ですが、寒さに弱く日本の気候では生育が難しいようです。

自然豊かな南インドでは、シダのように軸の左右に細長い葉をつけたニームの木は寺院や道端でよく見られますが、北インドではお目にかかることがなく、南国ならではという感じです。あまりにも身近にあるので「これが、神話の木?」と驚くほど。南インドの道端で「なんか眠いな」と感じたら、木陰を落とす樹木を見上げてください。案外ニームかもしれません。

インドの昼間はとても暑いので、日中人々は家の中で過ごします。皆さんよく寝ています。椅子に座って、うとうと……等という可愛いものでなく、横になってガッツリ寝ます。床は石なのでひんやりと冷たい。暑い国では気持ち良く眠れます。

あるエピソード。衣装店で「ハロー」と声を掛けても誰も出て来ず、留守かな?お店は開いているし、じき戻って来るだろうと思い、バーにびっしり掛かった色とりどりの衣装を見ていました。すると裾から人の背中がゴロリと現れ、びっくり。サスペンスドラマなら隠された死体です。店員さんが衣装の陰でお昼寝中でした。(*^^*)

石窟寺院で白装束の僧侶が、石像の前で寝ていたのを見たことがあります。笑ってしまったのは、大の字になって昼寝中の僧侶とその奥の石像に参拝者が神妙な顔で合掌していたこと。きっとここの神様は、とても大らかな方に違いない。日本にいるかなぁ。(^◇^)

とにかくインドの昼間は静かでのどかで暑いです。ところが陽が落ちると、人々が何処からともなく現れ、一体こんなに大勢、昼間どこに隠れていたの? と驚くほど。老若男女がうじゃうじゃと出て来てお祭りさながらの賑わい。

ジューススタンドはカウンターが見えないほど多くの若者が集まり、自転車やバイクの修理工はせっせと働き、洗濯屋はアイロンをかけ始めます。家から長椅子を出して高齢者は道端会議。

明々と橙色電球の下、映画音楽が夜空に高鳴る、このお祭り騒ぎは一晩中続くのかと思うほど。落陽のインドは昼寝で蓄えたエネルギーの放電、発散、歓喜で疲れ知らず。南国の人たちはこのようにして暑さを乗り切るのですねぇ~。(^◇^)

今年の夏も暑さ厳しくなりそう。クーラーも暖房もいらないこの時期、たっぷり睡眠をとって、厳しい季節の到来にエネルギーを蓄えましょう\(^◇^)/

さて、今日はお昼ご飯を食べて、たっぷり昼寝をした後は何をしようかな。言う間でもなくティータイム。おやつを食べてまたひと眠り。この季節、体重がメキメキと増えます。エネルギー蓄えすぎかも? (*^^*)ハハハぁ~

関西で学べるインド式健康法アーユルヴェーダ・ライフ|南想子の教室

ナマステ。インド式健康法アーユルヴェーダにようこそ。健康は正しい食事と生活習慣でつくられます。この教室ではアーユルヴェーダの健康理論を基にスパイス・瞑想・セルフエステを日常生活に取り入れた生活習慣を目標にしています。あなたの体質あったヘルシーライフスタイルを一緒に見つけましょう。

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