アーユルヴェーダ通信4 祈り
友人のインド舞踊家、花の宮祐三子さんからお手紙をいただきました。きれいな和紙の便せんに優美な小筆で書かれた文面。受け取るだけでご利益があるような気がしてきます。
花の宮さんの踊る『オデッシー』は東インド、オリッサ州の伝統舞踊です。北の『カタック』、南の『バラタナティヤム、東の『オデッシー』は古典インド三大舞踊と言われています。オデッシーは『寺院建築に描かれた巫女が、息を吹き返して踊りだした』と称されるほど優美で叙情的な踊りです。神に供物をささげて祈る奉納舞の性質上、寺院での活動が主となります。皆さんもどこかの寺院行事でこの踊りをご覧になったことがあるかもしれませんね。(^◇^)
5年ほど前になりますが大阪ユネスコ協会が国際交流講演会を催しました。大阪神戸インド総領事のスワラップ氏が自作の小説が映画化され、アカデミー賞を受賞した『スラムドッグ&ミリオネア』について講演。私がインドの文化をスライドで紹介。花の宮さんがインド舞踊を踊って締めくくるというプログラムでした。
これがご縁でその後、私がインド各地を旅して描いた油絵の初個展『スケッチしながら印度一人旅』では、大阪ユネスコ協会が後援してくださり、花の宮さんが自作の水彩画で友情参加して下さいました。その後もアーユルヴェーダの普及活動にさまざまご支援をいただき感謝しております。
花の宮さんのお便りは「舞踊と古典音楽の仲間でチャリティーを開催します。ぜひ見に来てください」というお誘いでした。5月初め、オリッサ州は猛烈なサイクロンに襲われ、ひと月経った現在も復旧が進まず、家屋の倒壊や生活水の滞りで衛生状態が悪化し、事態が深刻化しているとの事でした。
オリッサ州は私も以前、世界遺産スーリヤ寺院を訪れたことがありました。ベンガル湾に面した美しい漁村ですが、たびたびサイクロンに襲われ、その度に甚大な被害にあっていました。先進化するインドの経済的恩恵や成長から取り残されたように、伝統的な生活や建造物が守り継がれている地域でした。そこで出会った人たちは皆さんとても親切で、裕福ではないけれど誠実に毎日を生きている明るさと清々しさが印象的でした。
チャリティーはあいにく仕事で行くことができず、わずかですが復興支援金をお送りしました。オリッサ州に暮らす全ての皆さんに一日も早く、穏やかな日常が戻りますように。
今日から7月、台風の季節になりました。昨年は自然災害の多い年で多くの方が家を失ったり、悲しい思いをされました。まだ復興が整っていない地域や悲しみが癒えていない方々も多くいらっしゃいます。そんな所に再び災害が起きませんように。そして全ての皆様の平穏な日常が続きますよう、心から祈っております。
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