アーユルヴェーダ通信6 スパイス
夏はカレー。暑い季節に激辛のカレーを食べてさらに汗をかく、素晴らしいマサラライフで夏バテ対策万全。
さてそこで、問題です。汗は体温を一定に保つために出てきます。発熱状態にならないように体は一生懸命汗を出して頑張ってくれています。それでは夏にわざわざカレーを食べて体温を上げ、汗をダラダラ出させていては体力が消耗するだけではないでしょうか? なんと不思議な現象?
インドやタイ、スリランカなど暑い国ほど、鼻の頭から汗が噴き出すほど辛いスパイスがあります。これにはいくつも理由があります。
まず、スパイスの刺激で胃の働きを促し消化力が高まります。日本でも梅雨時のうっとうしい季節や真夏の暑さで食欲がぐんと落ちてしまうことがあると思います。そんな時にカレーの匂いやピリカラ系の味に食欲がそそられた経験おありだと思います。そして、汗をかくことで涼しく感じることができます。冷房機器がなかった時代からの生活の知恵ですね。
スパイスはインドでは家庭漢方薬といえるものです。全て植物由来で、種類ごとに薬効性が異なります。
まず植物には抗酸化作用があります。ビタミンやポリフェノールがそれで、私たちの体細胞が酸化され錆び落ちてしまうのを防いでくれます。味付けに使うと塩分を減らすことができ、動脈硬化や高血圧など様々な病気の予防になります。また、カレーの辛さのもとである唐辛子のカプサイシンは発汗作用とともに脳を刺激し、気分をすっきりさせてくれるホルモン分泌を促進してくれます。
スパイスは粉末なので、インドの家庭で使われる量は、一人当たりわずか小さじレベルですが、一日3食、毎日摂るので相当な蓄積になります。
暑さから体温を保ち、細胞のダメージを防ぎ、脳内ホルモンで気持ちを整える。スパイスは熱帯地域を生き抜く食の知恵だと思います。
地球温暖化が危惧されていますが、今の所、有効な対策はたっていないようです。私たちは生き残りをかけてスパイスを一生懸命食べましょう。ちょっとオーバーですね。ハハハ〜。(#^.^#)
ちなみに、お知らせです。11月3日(日)『スパイス&ハーブ講座』開催します。
会場はクレオ大阪中央。14時~15時半です。スパイスの知識を深めて健康づくりに役立ててください。手作りの南インドのスナックとハーブティ用意してお待ちしております。お申込みは季節講座のページからどうぞ。
(料理教室ではありません)
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